歴史的に雲見は漁師町ではない。海辺の村落だがもともと畑や炭焼きで
生計を立て、幸運にも真磯という極上の天草に出会っただけで、どちらか
というと山の民なのである。今は観光に従事しているため伊勢海老や
釣り、貝獲り、天草漁などの漁業的活動をしているが、依然として畑で
作物を育てる習慣は根強く残っている。
山と海に囲まれ、雪も無い南伊豆はまさに楽園のようだが、
大雨が降れば川が氾濫し土砂が崩れる。台風が来れば道が遮断され
1日以上停電するところでもあります。
自然の猛威にさらされたり、その恩恵を受けたりとにかく自然と密着し、
自然と会話しながら生きている人々がここにいます。
美しい自然と美味しい食べ物と温かい温泉よりももっと価値のある
たくましい雲見の姿を知っていますか?
総件数200に満たない小さな部落の素顔を少し紹介しましょう。
元旦、浅間神社での儀式。
毎年村の平和と繁栄を祈願して
午前0時より執り行われます。
海老網漁
観光に目覚めてから始まった雲見唯一の網漁。9月中旬〜翌6月まで続くが、海老の量的保護と効率的収獲のため満月前後の10日ほど禁漁となる。
午後3:00頃仕掛けた網を翌朝4:30に回収に行く。海老以外の海産物が収獲できるのも魅力だが、網の繕いなど手間もかかる。
天草漁
雲見王国を支えた漁は今でも健在。以前ほどではないが、やはり極上の天草には需要も多い。
貝獲り
主に女性の仕事でやはり猟期は決まっている。シッタカ・亀の手・フジツボなど岩場近くに付く貝を収獲する。味噌汁の具や酒のつまみに最高の食材だが、
鍵手でかいて取る作業は結構地味。みんなでおしゃべりしたり、お弁当を食べたり、日常からちょっと離れる娯楽でもある。

今は専らおじいさん・おばあさんの仕事。宿の料理に愛情がこもっているのは海の幸より野菜にあるのだ。
きつい作業なので若い人は敬遠するけど、生き物を育てる喜びは他に換えがたいものがある。毎日土いじりをしているお年寄りはやっぱり元気だな〜。
天日干し
韓国では町中で唐辛子を干しているけど、雲見でも年中いろんなものが干してある。開き・きびなご・新玉・大根・・・・。干して保存する習慣は、先達の知恵。
また都会では絶対に見られない(見たら怖い)情景が田舎の魅力のひとつでしょう。
海底掃除
観光の町になってから、雲見の海は心無い人たちに汚されつつある。”観光=自然”の図式からいやでも自然を守らなければならない事情がここにはある。
毎年、こうして海底をさらうことで生態系を維持し、水質を落とさないよう努力しているのです。
草刈
環境維持の作業は、都会では個人的にするか業者に任せることだけど、伊豆では地域ぐるみでするのが当たり前。
自然保護・交流・協力。今一番大切なことは、自然に密着した場所でしかわからない。
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